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配送コストの上昇は社会にとって良いことではないか

 クロネコヤマトが値上げ、それに続いてぞろぞろと運送会社が値上げをするようだ。私も通販を良く利用するので、これは地味に家計に効いてくるだろう。だが、この配送コストの上昇というのは「Amazon」などの大手通販へしっかりと価格転嫁出来たならば、社会にとって良いことではないかと思う。

 まず、ドライバーの激務を救うことができる。ヤマトは雇用者数を増やすようだし、雇用の受け皿が増えることは社会にとって良いことだと思う。トランプ大統領だったら、喜々として喜びそう。(単純に雇用を増やします、と言って出来るほどヤマトの業務が簡素化されているのかは謎だが)

 次に、通販で買うのと近場のリアル店舗で買う価格が、運賃でもって同等もしくは通販のほうが高いという状況になれば、地場の経済が潤うと思う。通販というものが広まって人々の生活が潤ったかといえば、そうでもないことは、この10年程度ではっきりしていると思う。
 このことがハッキリ出ているのが、中国だと思う。中国は私の体感では、日本以上に通販が発展している。これは中国の「らしさ」が大いに関係していると考えているが、通販各社の競争原理が良く働いて、通販文化が発展しているのだと思う。しかし、それで皆が潤っているかといえば、そうではないようだ。上海の大型ショッピングモールも年月が経ち、物販の店が減り、飲食店が増えている。聞くと、やはり通販に押されて小売は苦しいそうだ。
 富める者はますます富み、勝者と敗者の差が大きく開く現代、そのスピードを少し緩めるには、少量ロットの物に対する物流コストの上昇、というのが後ろ向きの発想だとしても、必要なのではないだろうか。

 多少の手間を掛けてでも、地元にお金を落とす。物を買いに行くという手間を省きたければ、高いお金(輸送費)を払って自宅に持って来てもらう(そもそも店に買いに行くより、家まで運んでもらったほうが安いというのは無理があると思う)。という方向になれば、皆にとって少し過ごしやすい社会になるのではないだろうか。